心理カウンセラー開業のシナリオ

心理カウンセラーとして開業する際に、何から手をつけていけばいいのか不安になることも多いため、本ページでは先を見通しての準備を紹介しています。

開業に向けて重要な4つ

  1. 屋号
  2. 開業届
  3. 専門分野
  4. 実績

上記は手続き上の順序で掲載をしましたが、心理カウンセラーとしてしっかり収入を上げて継続していくための重要度は、3.専門分野→1.屋号→2.届け出→4.実績の順となります。

重要度1:専門分野

意外と検討することを後回しされてしまうのが専門分野です。心理カウンセラーのお仕事は傾聴が主体となるため「誰の相談にでも乗れる」といった柔軟さが良さの1つですが、それだけではお客様を集めるのが難しくなります。お客様が求めているものは、抱えている問題を解決する専門家となるわけですから、専門分野を掲げなければお客様の注意を引くことができず、いずれ新しいお客様の獲得にいきづまることになります。

端的に言えば、お客様が集まらなければ売上(収入)はゼロとなり、継続が難しくなります。売上が上がれば軌道修正や更に磨き上げることができますので、対象とされるお客様が声をかけやすい専門性を掲げておくと自己紹介の時にも役立ちます。

専門分野を決める例

育児カウンセラー → シングルマザーのための育児カウンセラー
転職カウンセラー → エンジニアのための転職カウンセラー
心理カウンセラー → セミナー講師のための色彩心理カウンセラー
専門分野を決めるには、具体的なお客様を掘り下げて専門性を高めることです。心理カウンセラーと言ってもライバルは世の中にたくさんいますので、それらとは異なる専門分野が独自性として映ります。ヒントは、ご自身の経験と結びつけると説得力が増します。

専門分野とはお客様の入り口

専門分野を掲げておくことはお客様の目につきやすい状態(入り口)を作っておくこととなりますので、さまざまなカウンセリングに対応できたとしても、その能力を発揮するのは「お客様との信頼関係」が築けてからにしましょう。

重要度2:屋号

専門分野が絞り込めれば、お客様に伝わりやすい言葉で屋号を作ります。どんな専門分野の心理カウンセラーなのかが一目で伝わるのが最適です。
屋号は次の段階の開業届や名刺作成(ホームページ作成)にも必要になってきますので、早い段階で決めておきましょう。とはいえ、のちのち屋号の変更も可能ですから思い切って決めて、前に進んでいきましょう。

重要度3:開業届

開業届は簡単で税務署も丁寧な対応
収入を得ていくとなると税務署に開業届を提出する必要があります。開業届はとても簡単です。開業となると初めてのことが多く不安に感じるかもしれませんが、税務署の職員さんも税金を収めてくれる人が増えるわけですから、丁寧に対応してくださいます。

開業届は迅速に

届け出は開業から1ヶ月以内とされており、その期間を過ぎたとしても罰則がないのが現状となっていますが、仕事のできる心理カウンセラーなら先送りするよりも迅速に対応してしまう事柄です。

開業届のポイント

心理カウンセラーのお仕事にとっての開業届のポイントは以下の2つです。

納税地登録の判断

納税地には住所を記載する箇所が2箇所あります。納税地と事業所住所です。
自宅を事務所(事業所住所)として使用する場合には自宅住所で問題ありません。
しかし、自宅以外に事務所を構えた場合には、納税地を自宅にするか、もしくは、事務所にするかの判断が必要となってきます。のちのちの変更も可能なので、手を止めずに進めてしまいましょう。

青色申告または白色申告の判断

事業を開始するとやがて確定申告の時期が訪れます。その申告の際には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。税務署にあえて届け出をしなければならないのが青色申告(届け出タイミングは開業時がベスト)。届け出をしなければ自動的に白色申告になります。いずれもメリットデメリットがあります。

心理カウンセラー目線での申告方法の選び方

前述のように青色申告・白色申告それぞれにメリットデメリットがありますが、本サイトでのおすすめは青色申告となります。

青色申告をおすすめする理由
帳簿をきっちり記帳しておく必要があります。(貸借対照表・損益計算書)⇔白色申告は簡易的な記帳のみ
帳簿を保存しておく必要があります。⇔白色申告は簡易的
税金への知識と実体験が増えます。

心理カウンセラーとして月収1万円を目指しておられるなら別ですが、プロのカウンセラーとして活躍されている方には年収が数千万円から数億円(月収100万円から数千万円)の方もいらっしゃいます。
カウンセリングの相談相手が経営者になる場合もあります。収入が増えると連鎖して相談者のレベルが変わり、カウンセリングの話題に経営や税金など、お金にまつわる事柄も増えます。
また、ご自身の経営を振り返ることができるのも重要な点です。日々の活動が貸借対照表・損益計算書に現れますので客観的に経営の改善点を見つけることができます。

青色申告に比べ白色申告は手間がかからない利点はありますが、心理カウンセラーとして会計や税金の知識を持っておくことや触れておくことは違いを生む1つになります。
経理的に処理すべき量が増えてきたら税理士やアシスタントを雇い、心理カウンセラーとしての格の違いを示していきましょう。さらにお客様が集まり売り上げも連動していきます。

4.実績

実績とは客観的な信用となり、以下のようなものを指します。

  1. お客様の声(手書き感想、動画、写真)
  2. 講演(セミナーや会合)
  3. 取得資格
  4. 表彰
  5. 経歴
お客様の声

手書き感想、動画や写真など、これからのお客様が見て信用となる証拠がお客様の声です。
お客様の声(感想)については開業前から少しずつでも集めていくと財産になります。お客様の声には以下の価値があります。
既存客があなたの代わりに新規客へ価値を伝えてくれます。
自分自身では気づけていなかった価値を知らせてくれます。
たくさんの感想があると信用され、手前味噌な売り込みが必要なくなります。
売り込みよりも事例として紹介できます。
心理カウンセラーとして始めた頃は無料でカウンセリングを行う機会も多いと思いますが、その頃から無料・有料に関わらず、まめにお客様の声を集めておくと財産になっていきます。(ただし、良い感想が集まる工夫は必要です。)

講演

どんなに少人数であろうとも、セミナーや会合で登壇した記録を残しておくと、実績として紹介することができます。可能であれば登壇の様子を写真や動画で記録を残しておくとなおさら信憑性が伝わります。

取得資格

取得された資格は列記しておきましょう。お客様にとって新しく出会うカウンセラーには心理的抵抗があるものです。資格も努力してきた結果として信用の1つとなります。

表彰

社会的評価の1つとなり、こちらも信用につながります。

経歴

経験ほど価値のあるものはないと言われるように、ご自身の経歴をお客様目線で紹介していきましょう。